大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)



大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)
大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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情報と意思決定・組織運営

この本を読むと、大東亜戦争の頃の日本軍が、如何に 情報そしてコミュニケーションの基本を欠いていたかが分かる。

ここに書かれた、<結論先にありき><上司の意見優先><茶坊主の跳梁跋扈>など、大本営で起きた行動は、現在の我々の企業生活においても普段から起こり得る(または既に起こっている)ことばかりなのではないか?

単に歴史の生き証人が語る過去の事柄の列挙というにとどまらず、歴史を見る目が養われるとともに、現在の我々の生き方をも問うような、鋭い問題提起の書といえるだろう。

この本で面白かったところ

本書のレビューはもう出尽くしているので、個人的に面白かったと思う点を・・・
 1.同じ大本営で課によってこんなに仕事の方法が違ったのかと驚いたこと
 2.米軍の上陸作戦の時期を推定するのに、株価を読んでいたこと
 3.西ドイツに赴任する著者への大島元大使(戦前)の助言の内容
 4.戦後西ドイツでの著者の諜報活動ぶり、ことにワイナリーの話
 5.小国こそ・・・という事実
そういえば、真珠湾攻撃を兎にも角にも真っ先に嗅ぎつけたのも、
列強各国ではなかったな・・・
自分の会社のことを考える参考になります

本書の太平洋戦争における情報の取得,取扱い,それに基づく意思決定等具体的な戦史に基づく記述に関しては,昨今における企業組織の情勢を鑑みる大変参考となるのではないでしょうか。この図書を読まれた方の多くは,ビジネス社会でおこる様々な不祥事や企業衰退等の本質が今も昔も変わらないと考えられるはずです。
国家レベルのリスクマネジメント

国家としての危機管理とはなんであろうか、という主題に十分答えられる内容になっている。著者の結論は、「情報」であって、この収集・管理こそが現代の国家レベルでの危機管理だというわけだ。米国のCIAしかり、英国のMI6、またはフランスのDGSE+DST(国防省対外治安総局+国土監視局)がこの任務を負っている。それに比して、日本はどうであったか?これは企業レベルにもいえることであろう。
戦争と情報-現代にも通じる必読の書

「情報は常に作戦に先行しなければばらない」。この書は数ある太平洋戦争の著書の中でも他にはない貴重な記録となっている。なぜなら、「作戦課は情報部の判断を歯牙にもかけていなかった」「作戦と情報が隔離していた」という当時の日本軍の中枢には情報収集と分析を担う立場の参謀が他にほとんどいなかったからである。新任の参謀が手探りの中で情報に対するノウハウを蓄積して駆け抜けた戦争の貴重な体験や教訓がここにはつづられている。印象的なのは、堀が得ていた情報というのは特殊なものは実はあまりないということ。この方面では数少ない先人からの心構えについての教えを胸に、それこそ、それまでの米軍の攻撃パターンの情報、米国のマスコミに発表されている情報、米軍機の簡単なコールサインといったありきたりの情報をコツコツと丁寧に集めて蓄積して分析し、敵になったつもりで考え、いつしか「マッカーサー参謀」とよばれるようになっていく。「ますます複雑化する国際社会の中で、日本が安全かつ確固として生きてゆくためには、なまじっかな軍事力より情報力をこそ高めるべきではないか」。現代にもつながる貴重な教訓を多数含んだ書である。



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